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PX-708A 使用レポート (改訂版) どうも失礼しました。(^^;

初の自社設計 DVD デュアルドライブ PX-708 の実力は如何に!?
プレクスター株式会社より、DVD+/-R,RW ドライブ、PX-708A が発売されました。
前モデルの PX-504A が NEC 製ドライブをベースにファームウェアをプレクスター用にリファインしたモデルであったのに対し、今回の PX-708A では同社が自社で設計開発した初の記録型 DVD デュアル・ドライブです。更に、DVD+R ではなんと、8倍速での書き込みに対応しており、120 min メディアをわずか8分程度で書き込み終えることが可能になります。

●PX-708A の主な特徴
今までの CD-R/RW ドライブ設計で培われたノウハウを正統的に踏襲しており、高速書き込みと高品位書き込みをバランス良く両立させようとする意志が伝わってきます。

1.8倍速書き込みに対応
DVD+R 使用時において、超高速8倍速書き込みを選択可能。
2.ブラックトレイの採用
レーザー光の乱反射を吸収することで、書き込み品位の向上に寄与。
3.VariRec(CD-R のみ)
既に定評ある、レーザー出力を微調整する機能です。使用する CD-R メディアに最適な書き込み品位を個別に微調整する事が可能です。

PX-708A

4.PoweRec
このモデルに搭載している PoweRec 機能は、個々のメディアに対し最大書き込み速度を自動判別/設定するものです。記録型 DVD メディアでは、メディアの対応書き込み速度の指定は CD-R よりもシビアで、この機能を OFF して、対応外の書き込み速度を強制的に指定しても、かなり高い確率で書き込みに失敗するようです。この機能はデフォルトで ON になっています。
5.CD-R の 40倍速書き込みに対応
従来の記録型 DVD ドライブに比較して PX-708A は、CD-R の書き込みに関しても妥協せず、なんと40倍速という高速書き込みを実現しています。最低の速度は 4x が可能であることから、ブラックトレイの効果と共に CD-DA の書き込み品位にも期待が持てます。

この他の詳しい製品情報やスペックは、プレクスター(株)のウェブサイトをご覧になっていただければ幸いです。

プレクスター株式会社トップページ: http://www.plextor.co.jp/
PX-708A の製品紹介: http://www.plextor.co.jp/products/px708/px708.html

●準備
今回の PX-708A は、私にとっても初の記録型 DVD の使用レポートです。
記録型 DVD に関しては、私自身がビギナーに近い状態ですので、今回のレポートではビギナーならではの新鮮な感覚や客観的な印象も一緒に伝えられたら良いなと思っています。(笑)

さて準備ですが、ドライブは PX-W5232TA のレポートの時と同様、TADSIN さんからいただいた SUN ケース + USB2.0 にて外付けしました。
今まで日常的に使っていて、これと言った問題は無かったのですが、今回のテストは夏場のためか発熱量が高く、激安メディアの書き込みで問題が出ました(後述)。(^^;
仕方ないので、ケース・トップを外し、電源とドライブの上部を露出させた状態でテストを続行。
電源とドライブの間には空間の仕切りがないので、電源の熱でドライブまで暖まってしまう様子。
ちなみに、ケース・トップを外した直後の電源とドライブ表面は、低温やけどをしそうな状況でした。(汗)

あと、データの準備用に 60GB の E-IDE HDD を新規購入。いやぁ、まさか \7,000 以下でこんな大容量が購入できるとは。すっかり浦島太郎な気分。(AX6B + Pentium II 400MHz のユーザー)

余談ですが、最近の HDD は ATA100 またはそれ以上といった高速なインターフェイスを搭載し、下位互換として ATA66 や ATA33 の設定も兼ね備えています。古いマザーで新しい HDD を使う場合、マザーと HDD の転送レートを一致させておく必要があります。
しかし、ここで重要なのは、DMA での転送レートは自動では最適値に設定されないということです。 例えば、ATA33 などの古い IDE インターフェイスが搭載されたマザーで最新の HDD を利用する場合、ユーザーがメーカーごとの専用ユーティリティを使って明示的に、ファームウェア・レベルで DMA33 に一致させる必要があります。そうしないと、せっかくの最新 HDD であっても、転送速度は強制的に PIO mode4 という旧来の、いわば互換モードでの転送が使われてしまい、DMA 転送が出来ません。
詳しくは、PC 関連のウェブサイトや HDD メーカーのウェブサイトをご覧下さい。
本件、意外に知らない方が多く、パフォーマンスが十分に発揮されないままで使っている方はかなり居るようです。HDD の動作が遅いと思う方、今一度確認されてみてはいかがでしょう?(但し、作業は自己責任でね。(^^; )

本題に戻ります。
試験方法は、PX-708A を使って DVD Video ディスクを作成します。
あまり時間が無いので、今回は取りあえず一番需要が高いと思われる DVD-R にて評価します。
用意したデータは、友人に頼んで TV 番組を HDD 録画したものです。これを、各メディアで書き込み、再生確認を行います。 データは約2時間分。これでメディアの外周ギリギリまで書き込めます。

書き込み速度に関しては、敢えて各々のメディアの、最速書き込み速度を選択しました。
もちろん、より低速で書き込む方が、書き込み品位が良い傾向となることは CD-R メディアと同様だと思いますが、今回のテストは、ドライブの書き込み性能を探るということが主な目的なので、最速の書き込み速度で行いました。

ところで、メディアの再生ですが、私が所有している DVD プレーヤーは如何せん、バリバリの第一世代機でして、DVD-/+R なんぞが生まれる遙か以前のモデルなので、再生確認には適しません。実際に再生してみると、一応再生はするものの、途中からブロックノイズが発生し、時には強制停止することも。(^^;

で、どうしようかと思案していたところ、たまたまアキバで Cyber Home というブランドの、大変小さな据え置き型 DVD プレーヤーが売られているのを発見。 ノーブランドの製品にありがちな野暮ったさは一切感じられず、しっかりとした設計とその可愛らしさにすっかり気に入ってしまい、私にしては珍しく、衝動買いしてしまいました。(笑)
ちなみにお値段は \8,980(税別)@パソコン工房、横幅は 225mm でフルサイズコンポの約半分。思えばこれはマイクロコンポのサイズでしたね。(笑)
もちろん、DVD+/-R,RW メディアの再生にも対応しており、今回の再生テストには、これを使うことにしました。



Cyber Home CH-DVD 300

●使用メディア
今回使用した DVD-R メディアは以下の通りです。
国内有名ブランドのみでは面白くないので、CD-R 普及黎明期宜しく、怪しい激安台湾メディアも参加させました。 何かと物議を醸す、激安台湾メディアの状況は、まさに5〜6年前の CD-R メディアと同じような状況。 某ライターさん曰く、現在の台湾メディアメーカーの問題点は、CD-R と同じ感覚で DVD-R を生産している点にある、とは言い得て妙。

1.
三菱 DVD-R 4.7GB
4x 対応品(太陽誘電)
2.
TDK DVD-R 4.7GB
超硬 2x 対応品(TDK)

3.
Uniflex DVD-R 4.7GB
4x 対応品(Giga Storage)
4.
RiTEK DVD-R 4.GB
2x 対応品(RiTEK)

5.
ノーブランド@あきばお〜 DVD-R 4.7GB
2x 対応品(Unknown)
6.
Spark DVD-R 4.7GB
4x 対応品(RiTEK)
---

7.
radius 120 min (For Video)
4x 対応品(Optodisc)
8.
LEAD DATA 4.7GB
4x 対応品(LEAD DATA)

9.
NAN YA DVD-R 4.7GB
2x 対応品(NAN YA)
 

●テスト結果
結論から申し上げると、上記の全てのメディアで書き込みが出来、焼き上がった DVD Video は全て、正常に再生できました。
しかし、そのうち幾つかのメディアで、若干の問題が発生。
皆さんの予想通り、全て台湾メディアでの現象です。(^^;

まず、2x 書き込み対応品ですが、TDK, RiTEK, およびノーブランド品共に、全く問題無く読み書きできました。 とくに、あきばお〜のノーブランド品は @\150 という、ちょっと前の CD-R 並という不気味な安さですが、2x という書き込み速度では全く問題ありませんでした。 メーカーを確認しようとしたのですが、メーカー ID を持っておらず、不明のままです。(^^;  安価ですし、練習用には最適かも知れません。 ただ、メーカーが不明だと、レーザー出力の調整がランニング OPC での結果に大きく依存することになるので、粗悪メディアでは反射率が悪いとレーザー出力が異常に高くなってしまう恐れもあります。 なので、なるべくなら避けた方が無難です。
TDK は全く安心して使えるものなので、特に言及はしません。 RiTEK も、CD-R メディア生産の後期から、かなり品質が向上したので好印象を持っていましたが、DVD-R メディアでも良好な印象。

次に 4x 書き込み対応品では、なかなか興味深い現象が。
三菱は全く問題無し。さすが太陽誘電の OEM ですね。 意外だったのが Uniflex というブランドの製品。メーカーはどうも、Giga Storage のようですが、4x で書き込んでも全く問題無く利用できました。 Giga Storage も、CD-R メディアの生産では質の高い製品を送り出していたメーカーですから、DVD-R メディアでもその経験が生かされているのでしょうか。

この後、追加の radius, Spark, LEAD DATA, NAN YA と一気にテストしていきました。
radius というメディアをテストすべく 4x で書き込みを行っていると、突然書き込みエラーが発生しました。 遂に台湾メディアにハプニング発生!? 気を取り直してもう一度新しいメディアをセットし、書き込みを行ったところ、今度は正常に書き込めました。どうやら、単品不良だったようです。

次に Spark をテスト。radius の時にメディアを一枚潰したので、念のために「テストの後で書き込み」を選択。 すると、再度書き込みエラーが。2x 対応品では良好な印象だった RiTEK 製なので、これは意外かと思いきや、イジェクトされたメディアに触れると大変熱を持っていることに気が付きました。 もしやこれは、外付けケース内の発熱が悪影響を与えているのでは?と思い、ケース・トップを外し、ドライブと電源の放熱を促すことにしました。 念のためドライブの電源を入れ直し、PC を再起動して、再度 Spark を 4x 書き込みしてみると、今度は全く正常に書き込み終了。 どうやら、熱暴走寸前の不安定な状況になっていたようです。今までは全然問題無かったこのケースですが、熱がこもりやすいのは事実のようで、とりわけ夏場は熱暴走に気を付ける必要がありそうです。(笑)以降のテストは、ケース・トップを外したまま行いました。

LEAD DATA のテストでは、4x でのテスト書き込みでエラーが発生。書き込み速度を 2x に設定して再度トライするも、テスト書き込み開始直後にエラー。それでは、と 1x に設定すると、今度はようやく正常に終了しました。 なぜか 2x に設定すると、4x の時のように書き込み途中でエラーが発生するのではなく、書き込み直後にエラーを出して止まります。 パッケージを見ると、書き込み速度の表記が他のメディアのような 1x-4x と言った表記ではなく、1x/4x となっています。もしかしてこれは、もともと対応する書き込み速度が 1x か 4x のみで、2x が非対応という事を意味しているのでしょうか。
と言いながらも、DVD-R メディアは私自身がまだ良く分かっていないことが多いので、推測に過ぎないんですが...。(^^;
ちなみに、LEAD DATA は、BURN-Proof を ON にすると、4x でも書き込めました。再生テストも問題無しです。 確かに 4x 対応品であるという面目は保てましたが、BURN-Proof 無しでは正常書き込みが不可能であるという品質には大いに疑問を感じます。もちろん、私が購入した製品だけがたまたま外れロットだったのかも知れませんが、LEAD DATA は CD-R メディアの時から品質のバラツキが凄まじかったので、あまり良心的な気持ちになりにくいです。(苦笑)

最後に NAN YA。追加した台湾メディアのうち、これだけは 2x 対応品でした。
これも CD-R では EVER MEDIA ブランドで安価な製品を供給してきたメーカーです。DVD-R でも、@\148 と怪しい激安ぶり。
テスト書き込みでは、2x でも 1x でも書き込みエラーが発生。 う〜ん、台湾メディアはこうでなくっちゃ。\(^o^)/ いやいや、これじゃまずいんです。(爆)
CD-R 時代の激安低品質メディアを徹底的に楽しんだ(?)経験のある方なら、DVD 時代でもついつい、初期の台湾メディアにハプニングを期待してしまうのは私だけじゃないと思います。(^○^)
さて、それはさておき、LEAD DATA の時と同じく、BURN-Proof を ON にして 2x で書き込み。 すると今度は、正常に書き込みが終了。再生テストでも問題無しでした。

注意:これらの書き込みテストは、COLT-T が普通に購入したメディアを客観的に評価したものですが、当然ながらメディアのバラツキや書き込み環境によって、結果は変化します。 あくまでも参考までにとどめ、最終的には皆さん自身が各々ご確認下さい。

●8倍速書き込みに挑戦!
2003年9月の現時点において、正式に8倍速対応を謳っているメディアは存在しませんが、実力値として8倍速書き込みが可能なメディアは、プレクスター社のウェブサイト上で幾つか公表されています。

ちょうど手元に、PX-504A 発売当初に入手した三菱化学の 4x 書き込み対応の DVD+R メディアがあったので、セットしてみたところ、8倍速が選択可能に。ちょっと古いメディアですが、一応8倍速を選択できるようです。
と言うわけで、早速8倍速書き込みをテストすることにしました。何しろ、DVD+R/RW を焼く際は、何故かテスト書き込みが選択できません。 これはライティングソフトの仕様でしょうか? それとも DVD+R/RW のファイルシステム上の都合によるものなのでしょうか? とにかく、一発勝負で書き込むしかありません。 BURN-Proof は潔く OFF にしてスタート!
初めて間もなく、勢い良く回転し始め、書き込みが始まりましたが、しばらくすると BURN-Proof が利いていることを示す LED のサインを確認。
どうやら、PoweRec 機能が BURN-Proof を強制的に作動しているようです。 ほとんど1〜2秒毎に BURN-Proof が利いています。 書き込みが 50% 終えたところで、急に速度が落ちました。PowerRec は書き込み速度を制御している様子。速度低下と引き替えに BURN-Proof の作動は見られなくなりました。多分現在は、4x 書き込みとなっているようです。
そうこうしているうちに、無事に書き込みが終了。時間を計ってみると、19分かかってました。約2時間分のデータでしたので、8倍速書き込みでは約8分くらいで書き込み終わるはずですが、19分かかったと言うことは BURN-Proof の作動と PoweRec による書き込み速度の最適化がボトルネックになりました。
う〜ん、やっぱりメディアがちょっと古かったのでしょうか。

それでは、と今度は今回のテスト用にプレクスター社から支給された DVD+R メディアを使用してみます。 しかし、このメディアを使っても...。
結果としては、先ほどのメディアと同じく BURN-Proof が頻繁に作動し、書き込み速度低下の要因となってしまいました。BURN-Proof の作動頻度はむしろ、こちらの方が非常に頻繁で、終始一貫して約1秒毎の作動と言う状況。書き込み終了まで27分もかかってしまいました。2倍速書き込みとほぼ同一の速度です。

以上のように、8倍速書き込みに於けるこれほど頻繁な BURN-Proof 作動は、まるで DMA 転送オプションを選択せずに書き込んでいるかのようです。もちろん USB2.0 によるデータ転送なので、そんなことはないし、事実4倍速書き込み時や CD-R/RW ドライブの高速書き込みでも USB2.0 による転送で問題になることはありませんでした。

PC パワー不足の疑い
この実験を行っていた当初、8倍速書き込みの結果が思わしくないのは、メディアやライティングソフト側等の環境条件が整っていなかったり、ファームウェア等の条件がまだ十分に煮詰まっていないことが原因ではないかと推測していたのですが、このレポートを改訂版として再掲載する前に、閲覧者の方から PC のパワー不足(Pentium II 400MHz)を指摘されました。 OS も Windows 98 SE なので、ディスクイメージ作成ではファイルサイズの制限が存在します。
確かに、8倍速書き込みで BURN-Proof が頻発するという現象は、メディアの記録面の状態が悪い場合以外に、データ転送が間に合っていない場合もあるわけですから、その可能性は高いと考えられます。

そこで、PC のパフォーマンスの根本的な改善を考えたのですが、現在の PC を根本的に変えるとなると、マザー・ボード、CPU、Memory、HDD 等、ほぼ全交換となってしまうため、ビンボーサラリーマンの私としては緊急な資金調達はほぼ不可能。(^^; しかし、ちょうど Tekram の P6B40D-A5 を使って Dual Celeron 遊びが流行っていたときに作った PC があったので、こいつを使って何とかすることにしました。P6B40D-A5 + 450MHz クロックアップ版 300A x2(懐かしいでしょ?)のこのマシンは以前、Windows NT 4.0 Server 用のサーバーアプリケーションをテストした後、ファイルサーバー代わりに使っていたものの、普段からそんなに使っているわけじゃなかったので、転用を決定。とりあえずバックアップをとって、Windows 2000 Professional にて再セットアップしました。 
HDD ですが、RAID 0 で対応。これまた以前に Promise の Ultra66 から改造した FastTrak66 を使用します。DMA66 転送でストライピングセットを構築しているため、データ転送速度にも期待が持てます。 Memory も総量 384MB に。
一つの興味として、OS が SMP に対応していますし、NT 4.0 の時よりも効率が良くなっているようなので、CPU の負荷分散も期待したいところですが、OS が対応していてもアプリケーション側が SMP に対応していなければ効果は期待できないので、その辺がどう影響してくるか気になるところ。
あと、不安材料としては、データ置き場が物理ディスクとして独立しておらず、ストライピング・セットをパーティション分けしているだけなので、結局単一のボリュームセット内であることでしょうか。それでも、以前の Pentium II 400MHz + Windows 98 SE + HDD DMA33 の時よりも、かなりのパフォーマンスアップが期待出来ると思います。

FastTrak66 での Windows 2000 セットアップは、FastTrak66 の BIOS Update を伴う面倒なものでしたが、何とか無事に終え、Service Pack やその他 HotFix の類も全て適用し、最新の状態へ。
次にドライブに添付している B's Recorder 7 をインストール。 早速テストを再開しました。

まずは、パフォーマンスチェックのため、三菱化学の DVD-R メディアを4倍速で書き込み。 書き込み終了まで約13分。問題なく本来のパフォーマンスで書き込みが出来たようです。 この時の CPU の負荷を見ると、書き込み中は片側の CPU に負荷が偏っています。 

これにより、B's Recorder 7 は SMP に対応してないことが分かります。(^^; この時せめて、ライティングソフト以外のプロセスやサービスだけでも、もう一方の CPU が担うようになっていれば良いんですけどね。 さぁ仕切直しの後、再び8倍速書き込みにチャレンジ!

ところが、ここでトラブルが発生。
DVD+R で8倍速を設定すると、書き込み終了直前に必ず ATAPI エラーが発生。しかも、吐き出されたメディアは「書き込み」を設定しているにもかかわらず、全く書き込まれていません。テスト書き込みと同じ状態となってしまいます。
仕様上はテスト書き込みが選択不可な DVD+R ですが、図らずもテスト書き込みが出来てしまいました。(^^;

USB2.0 での外付けから PC 内蔵にしても改善せず、メディアは三菱、誘電、リコーと試しましたが、結果は同じ。
で、B's を最新のバージョンへ更新したところ、今度はちゃんと書き込めるようになりました。
ドライブ添付のものは、Ver. 7.03 ですが、どうやらこのバージョンでは Windows 2000 で8倍速書き込みに問題が発生することがあるようです。私がアップデートしたバージョンは Ver. 7.05 ですが、その間の変更履歴にも記述がありませんでした(こっそり直したな!> BHA)。(^^;

さて、肝心の結果ですが、やっぱり8倍速書き込みは出来ませんでした。
メディアはプレクスター(株)のウェブサイトに掲載されてる推奨メディアにも書かれている、リコーの DRD-4XPC を新たに用意(それにしても、もう少し安くならないものか>DVD+R メディア (涙) )。 実力値で8倍速書き込みが可能なメディアです。 他の8倍速書き込み可能なメディアも欲しかったのですが、今回は見つけられなかったので、今後それらでもテストしたいと思っています。
早速8倍速に設定し、書き込みを開始。 ところが、20% を過ぎたところで突然減速し、その後スピードが再び上がることなく終了しました。 書き込み時間は約13分。やはり PoweRec が4倍速に落としてしまったようです。 他にも、手持ちの三菱化学のメディアや太陽誘電の DVD-R47TY 等を試してみても、結果は同じ。まぁ、この2品に関しては、8倍速書き込みの可否が未確認なので、致し方ないところですが。

う〜む。データ転送が遅いのか!? DMA66 のストライピングセットでも不十分なのか、或いは SMP 構成とは言えども、所詮 400〜500 MHz 程度の CPU ではパワー不足なのかも知れません。 でも、CPU の使用率は、上図を見てもおわかりのように、かなりの余裕を残しているので、いくら8倍速書き込みを設定したとしても、支障が出るほど CPU の占有率が跳ね上がるとは思えないので、CPU パワーの問題に関しては関係は小さいように感じます。
また、書き込みが 20% に達するまでのまでの間は、全く BURN-Proof が作動せずに、快調に書き込みが進んでいたにもかかわらず、20% を過ぎたところで突然減速したのであれば、データ転送の問題よりもむしろ、メディアの品質のバラツキの影響の方が強いようにも感じます。 もし PC のパフォーマンスが不足しているのなら、減速するより先に BURN-Proof が頻発すると言った方向で問題が出るように思えるからです。それは、当初のテスト環境での結果が物語っています。

どうやら、8倍速書き込みに関しては、まだまだ安定した書き込みを行うには時期尚早の感が強いです。
PC のパフォーマンスも、ある一定以上のものが要求されますし、メディア側の対応も整っていないという印象です。
実際に、本製品発表時のプレス・リリースでも、同じメディアであっても、品質の微妙なバラツキによって必ずしも8倍速で書き込めるとは限らないことは明記されているので、こればかりは致し方ないところでしょう。
とは言え、変化の早いこの業界ですから、すぐに安定して8倍速書き込みが出来る環境は整うように思えます。実際に今年の第四四半期に、リコーから8倍速に正式対応したメディアが発売されるとのこと。8倍速書き込みに関してはメディア側の対応を待った方が良さそうですね。

2003年9月17日追記:
プレクスター(株)によると、8倍速書き込みに関しては PC のスペックも一因ですが、バンドルしている B's Recorder 7 自体のパフォーマンスにも問題があるようです。一部の環境によってはロスレスリンキング(CD-R で言う BURN-Proof)が発生しやすい状態となることが分かり、現在調査中のこと。 改善され次第、再度ご報告します。

●CD-DA の音質
実は、CD-DA もちょっとだけ焼いてみました。 記録型 DVD が隆盛を迎えつつある状況で、CD-R/RW のみのドライブは急速にシェアを狭めつつあることは事実ですから、今後は記録型 DVD の付加機能としての CD-R/RW 記録の品位も、一部のユーザーにとっては購入検討のための重要な条件の一つになることでしょう。

使用メディアは以下の通り。

1.
 太陽誘電 74TY 74min 32x
(ジャケットは 24x品流用)
2.
MITSUI ADVANCED MEDIA, INC.
AK707MI0A 74min 8x

3.
三菱化学
CD-R 74min 1x-16x
 

書き込み速度は全て 4x です。
その音質ですが、全体的に線が太く、力強い印象です。 これは、PX-W4824TA に近い音色と言えるでしょうか。
ただ、若干荒削りな印象を伴うのがやや気になるところ。 分解能や質感の点では、CD-R/RW 専用機の決定版 PX-W5232TA と比較すると、さすがに一歩譲らざるを得ません。
但し、音の情報量が若干少ないことが逆に功奏したのか、聞いていても疲れにくいと言うか、聞き易さを演出しているとも言えます。 とは言うものの、音の元気の良さは専用機譲りで、メリハリの利いた昨今のプレクスター・サウンドを踏襲していると言えるでしょう。
今回感じた分解能や質感等の問題点は、電源強化やノイズの排除と言った、お約束の手段を駆使することにより、良い方向へ持っていくことが出来ると思います。
ちなみに、やっぱり一番バランスが良かったのは太陽誘電でしたが、一般的にはややハイ上がり傾向の、米国三井の音が好まれることでしょう。
分解能的にはどのメディアもそれ程の差異は感じませんでした。

●まとめ:技術力の高さを実感できる製品
私としては、今回初めて本腰を入れて記録型 DVD ドライブを使ってみたわけで、当然他社の記録型 DVD ドライブを使用したことはほとんど無いのですが、少なくとも CD-R/RW 時代のプレクスター製ドライブの極めて安定した書き込み性能を、この PX-708A でも感じました。
インターネット上にある DVD-R ドライブの書き込み性能に関する記述や、既に DVD-R を活用している友人からの情報等を踏まえて判断しても、PX-708A の書き込み性能は、比較的優れていると思います。
実際、BURN-Proof を OFF でエラーが発生しても、次からは BURN-Proof を ON にする事で正常に書き込めるので、焼きミスは最小限の枚数で済み、もちろん書き込み終えたメディアは正常に再生可能なわけですから、使用メディアに対する互換性及び適合性は高いと判断して良さそうです。
プレクスター社として初の、自社設計による記録型 DVD ドライブ PX-708A は、初めての設計とは思えない程、極めて安定した品質と世界初の8倍速という高速書き込みを両立させた、大変意欲的な製品であることがわかりました。 更に CD-DA 焼きでも及第点の出来。 DVD も焼ける HiFi CD-R Unit とでも言いましょうか、それとも HiFi Multi Recording Unit が適切かな。そんな自作ユニットの製作も楽しそうですね。(笑)

 

2003年9月1015日 (C) COLT-T
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最初の掲載の後、閲覧者の方からご指摘を受けた部分は2点。

1.書き込み速度とデータ転送量
2.記録型 DVD を書き込むための PC のパフォーマンス

1.に関してですが、私の調査不足でした。 PX-708A のスペック表を見ると、4倍速での転送速度は 5,400KB/S 、8倍速では 8,100 〜 10,800KB/S となっています。
メディアの最大容量4.7GB を毎秒のデータ転送量で割ると、おおよその書き込み時間を算出できます。 それによると、4倍速書き込みでは約15分、8倍速書き込みでは約8〜10分くらいとなります。

2.に関しては、本文中で説明した通りです。記録型 DVD の書き込みには、CD-R の書き込み以上に PC のパフォーマンスが必要になるようです。

以上、皆さんスミマセンでした。(^^;

 

 



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