PX-760A
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CD-DA 音質評価(PX-755A, PX-760A)
PX-760A とその下位モデルである PX-755A
にて CD-DA の音質評価を行ないました。
DVD±R/RW の普及に伴い、CD-R/RW
は次第に注目度が低くなったのはやむを得ないところですが、CD-DA
に取って代わるポテンシャルを秘めた、手ごろな高音質メディアが存在しない現在では、DVD±R
全盛の昨今に於いても依然として CD-DA
を焼くという目的は失われていないのも事実です。
今回使用するメディアは、リファレンスとして太陽誘電製の
74min と 80min タイプ、その他に maxell(BENQ)
と無名の黒色樹脂メディア(CMC
製)の4種類を選択しました。 黒色樹脂メディアはプレイステーションソフトで使用されていたことでも知られていますが、以前から
CD-R
でも台湾製を中心として製品が確認されていました。しかしながら、その特殊性から今まで現実に音質評価をしたことがありませんでした。
今回は、その黒色樹脂メディアをサンプルに加えて評価してみます。 但し、今回の
CMC
製黒色樹脂メディアの音質が、他メーカーの黒色樹脂メディアと同等であるとは限りません(当然ですよね)ので、その点をご留意下さい。
●書き込み条件
ドライブの設置方法も PX-760A, PX-755A
共に、全く同じ条件で焼いています。 PC
の環境は各製品の使用レポート本編に書かれている通りです。 書き込み速度は
4x です。
●使用メディア
1.
SONY CDQ-80DN
74min / 48x 対応品
製造元:太陽誘電(日本) |
2.
SONY CDQ-74DN
74min / 48x 対応品
製造元:太陽誘電(日本) |
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3.
maxell CDR700S
80min / 48x 対応品
製造元:maxell(台湾 BENQ) |
4.
e MARK
80min / 52x 対応品
製造元:CMC(台湾) |
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●評価結果
まず、PX-760A と PX-755A
の音質の違いについてですが、大きく異なるのは分解能と切れです。
このあたりは、搭載しているスピンドルモーターの違いによるものでしょうか。その他にも上級モデルならではの作り込み(Intelligent
TILT など)が総合的に効を奏している感が強く、この
PX-760A でのシャープさは PX-755A
では再現が難しいと言えます。 とは言え、全体的な音作りに関しては、前作の
PX-716A
が骨太でエネルギッシュな傾向であるのに対し、PX-760A
と PX-755A
とは傾向が同じで両者ともフラットな音質になっています。好みの差はあれど、私個人としては癖のないフラット傾向が好きなので、好印象です。
メディア毎の音質
SONY(太陽誘電) 80min
癖がなく、オリジナル CD
に近い音質です。 取り立てて優れている個所のない反面、悪い部分も見あたらない、言わば平均的な音色。 リファレンスとしては適切かもしれません。
PX-755A では若干、分解能とレンジが PX-760A
よりも劣ってしまいますが、その差は僅かでした。
SONY(太陽誘電)74min
PX-760A
とはベストマッチ。非常に切れが良くクリアな印象です。レンジも広く奥行き感も秀逸でした。
PX-755A では、さすがに PX-760A
にかなわないものの、PX-760A で焼いた 80min
タイプと同等の音質を得られます。
maxell 80min
音の傾向は SONY
と似ていて癖がなく聴き易いのですが、全体的にヴェールが掛かっているような、シャープさに欠ける印象です。PX-760A
と PX-755A
との音質差はほとんどなく、あまり違いが感じられません。強いて言えば、PX-760A
の方が若干落ち着いた印象です。
e MARK 80min
分解能は maxell
よりも上ですが、明らかにレンジが狭い音。こじんまりとまとまってしまって、迫力も奥行きも失われてしまった印象です。PX-760A
と PX-755A
共に音質差はほとんど感じられませんでした。
●まとめ
当たり前と言われるかもしれませんが、両モデルの違いを聞き比べると、オーディオ製品に良く見られる上級機と普及機の音作りの違いと同じような差異が感じられ、面白いと感じました。
しかし、プレクスターさんがこのような差別化を意図的に行なったというよりも、仕様の異なる部分がもたらした性能差と個性であると考えた方が妥当かもしれません。
私個人としては、PX-760A
のシャープで品のある音色に好感を得ましたが、PX-755A
の持つ荒削りながらも上級機の DNA
を受け継いだポテンシャルも見逃せません。 どちらを選択するかは、ユーザー各人が用途に合わせてチョイスすれば、その期待に十分に応えてくれる音質だと思います。
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2006年4月16日 (C) COLT-T
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