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■ 1/48 ハセガワ: Focke-Wulf FW190A-8
ドイツ機をこよなく愛する諸氏にしてみれば、大変な暴言なのかもしれないが、当初からの個人的な印象は、薄汚れたような重苦しく憂鬱な色調の迷彩と、汚らしい印象が強く、機体自体は好きなのだが、迷彩塗装はどうも好きになれなかった。 しかし、模型作りに復帰し、自然と技術が身に付いてくるに伴い、あの複雑な迷彩に挑戦したいという意欲が自然と湧いてきた。
もともと機体は好きなものが多いので、極彩色じゃない落ち着いた塗装の機体から始めてみようか、と考えていた頃、良いタイミングでハセガワからこの
A-8 型が発売された。
一目見て、この落ち着いた色調の迷彩とセンスの良いマーキングが気に入り、コイツで初のドイツ機製作と相成った。
作り慣れた日本機が柔良く剛を制する合理性なら、ドイツ機は対照的に、メカニカルな印象からもたらされる論理的な合理性というところか。 また、米海軍機とは一線を画す緻密さは、造型の独自性から受ける印象か。
いずれにしても、新鮮な気持ちで製作を楽しめた。
とはいうものの、製作にあたり資料は世傑と模型誌の作例のみである。
実機のマーキングに関しては有名な機体とのことで、画像をネットで探したものの得ることが出来ず、キットの説明図と雑誌の作例に記述があった実機の解説のみというお寒い状況であった。 まぁでも、自分としては初のドイツ機という、言わば「習作」に近い位置づけでの製作なので、不明な個所は必然性を保ちつつ、推測で何とかする。
コックピットの塗り分けは、ネットで見つけた復元機の画像を参考に、それらしくつまみやレバーのところどころに赤や白をちりばめる。 シートベルトは模型誌の挿絵や画像を元に、マスキングテープと真鍮線で金具を再現して自作する。
機銃は純正オプションの真鍮挽き物パーツを使用した。なかなかリアルな出来で満足している。
塗装は当初、いかにも複雑な手順を経るような印象があったのだが、実際に行ってみると意外に簡単で拍子抜けした。もちろん、複数の色を重ねるので、手順に注意する必要はあるが、インクスポット迷彩もノズルを絞って慎重に取り組めば難しいものではない。
ちなみに、今回製作した エルンスト
シュレーダー軍曹搭乗機は、模型誌の作例にあった解説によると、実機はアンテナ線が取り外され、キャノピー部分のアンテナ線を引き込むプーリーすら撤去されていたらしい。また、胴体下面のループアンテナも基部のみを残し、外されていたとのこと。
模型を制作するに当たり、アンテナ線の再現は「見せ場」の一つなので、少々残念だがやむを得まい。
途中スミ入れに水性塗料を使ってエライ目にあったりして、ハプニングの多い製作であったが、こうして完成した
FW190A-8
は何時にも増して愛着が湧く作品となった。 たまに作るドイツ機も良いものだな、と実感した。
(完成:2008年3月30日)
※画像をクリックすると、UXGA サイズの大判画像がポップアップします。
拙作の画像ではありますが、宜しければ壁紙などにお使い下さい。 |
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