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■ 1/72 ハセガワ: General Motors (Grumman) TBM-1C Avenger
1/72 スケールでも 1/48 の
F4F
並に大きい機体である。対潜哨戒用迷彩は、退色感を表現しやすいと思って、ちょっと頑張ってみた。 アベンジャーにはトライカラーが一番似合うと思い込んでいたが、この迷彩もなかなか良いものだ。
今回のポイントとしては、初めてエッチングパーツに手を伸ばしたというところだろうか。エデュアルドから、このモデル用にエッチングパーツとして内装、爆弾庫、そしてフラップがそれぞれ発売されているが、そのうちのフラップを使ってみた。組み立て自体は繊細な工作を要するものの、さして難しいことは無いのだが、長手方向に垂直にL字曲げする際は少々てこずるので、何らかの工夫が必要だ。今回は
5mm
厚の真鍮板でパーツを挟み込み、万力で固定した後ステンレス定規でゆっくりと均一に力を加えると上手に曲がってくれた。
八木アンテナは、支柱と芯棒のみだったので、水平アンテナ棒を追加した。本来は芯棒を垂直に貫通しているが、1/72
での再現は困難なので、十字に交差させることでお茶を濁す。な〜に、小さいから目立たない。
マーキングは空母アトランティック搭載の対潜哨戒迷彩機とした。インシグニアホワイトを全面に塗装した後、パネルラインに黒を吹く。再度下面と胴体にインシグニアホワイトを吹いて、次にパネルラインの黒をうっすらと残すように上面のダークガルグレーを吹く。ホワイトとの境界は、いわゆるカウンター・シェイドでぼかす。水平尾翼の上面はダークガルグレーに塗装してある機体も多いがホワイトのままの機体もあり、実際は結構いい加減だったようだ。資料によると規定ではホワイトらしい。この作品でもホワイトとしてみた。デカールは、貼り付ける表面がつや消し塗装だと密着しきれずにシルバリングが生じやすいことは、前作までに得た教訓であるから、つや消し塗装の場合でも、塗装は光沢か半つやのみで行い、デカールを貼り付けた後にフラットクリアで仕上げる。デカールを貼り付けた後、国籍マークの色調が浮いている感じだったので、上からインシグニアホワイトを軽く吹いて周囲の色調と馴染ませた。
完成してみると、エッチングのフラップはその複雑な造形を上手く再現しており、非常にリアルで満足している。
投資に見合う効果は得られたようである。この作品で、ようやくデカールのシルバリングを完全に押さえ込むことができた。技術的にもやっと一定の水準に到達できたかな...。 |
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