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■ 1/72 タミヤ: Vought F4U-1A
海兵隊 VF-17
所属のアイラ・ケプフォードが搭乗する F4U-1A
はあまりにも有名で、古今東西あまたのメーカーからデカールがセットされたキットが発売されている。 ご多分にもれず、私自身も少年の頃からこのマーキングが大好きだった。
20年以上も前になるが、大学生の頃にオオタキ金型のアリイから発売されていた
1/48
に、このマーキングに全て塗装で挑んだものだ。国籍マークは比較的単純なので手間を掛ければ難しくはないのだが、スコアマークやステンシルの類はそうもいかない。別売りデカールなる高価かつ(当時)入手が困難な物を購入できず、手書きでスコアマークを描きこんだっけ。ステンシルに及んでは、ほとんど何も施すことが出来なかった。それでも、完成した時はそれなりに自画自賛して楽しんでいた。今、当時の作品を見ると、さすがに稚拙な工作だなぁ、とちょっと恥ずかしい。
さて、このキットであるが、以前に製作した -1D
型に一部パーツを追加したもので、-1A型として発売されたものだ。
とは言え、標準的な -1A
型のパーツだけを追加しているのではなく、ケプフォード機は、プロペラなどが
-1D型と同じ幅広タイプを使っていたり、尾輪の支柱が短いなど、若干標準仕様と異なる部分があるのだが、そういった部分もちゃんとパーツが用意されていて、標準仕様の
-1A
型のみならず、ケプフォード機をほぼ忠実に再現できるのは嬉しい。
キットは言うまでも無く大変組み易く、かつ非常に精密かつ正確なモールドでプロポーションも抜群である。
-1D
のように、ほとんど素組みでも全く遜色ない仕上がりが期待できるのだが、今回はエンジンを
Quickboost
のレジンパーツに置き換えた。あまりにも精密なモールドなので、プッシュロッドの追加だけでは飽き足らず、プラグコードまで追加してしまった。 1/72
のエンジンのディテールアップは、 1/144
の作り込みに近い、ミクロな世界であった。
他にも、尾輪でオミットされていた牽引用のU字リングを追加。尾燈を追加し、翼端燈をクリア化。シートベルトの追加はいつも通り。 アンテナ線は、不鮮明な資料写真をじっくり眺めてようやくパターンが判明。特にコルセアは同型機でも部隊ごとに張線パターンが異なり、その確認に苦労する。(ちなみに以前製作したの
-1D
型では、とうとうそのパターンが分からず、結局アンテナ線を張らなかった。)
塗装は、ケプフォード機の特徴でもある塗装の剥がれを如何に上手く表現するか、がテーマとなるだろう。
基本塗装は一般的なトライカラー・スキムである。ホワイトはクレオスのインシグニアホワイトを使い、インターミディエイト・ブルーとシーブルーは同じくクレオスの
US NAVY COLOR セットを使った。
基本塗装が終わったところで一度クリアを吹き、表面を整えた後でデカールを貼る。
1日以上置いて完全に乾燥させて、さらに上からクリアを若干厚めに吹く。さらに1日置いて乾燥させ、エナメルで墨入れを行ったところで、いよいよ塗装剥がれの表現である。面相筆で、いわゆるチッピングを施していく。機体にフィットする調色を考えた末、ダークグレイに若干のクロームシルバーを混ぜたものを使った。ジュラルミンの地を見せると言っても、これ見よがしにシルバーを使うのは、小さな
1/72 では銀が目立ち過ぎてリアル感を損ねる。
実機の剥がれは、言ってみればかなり汚らしく剥がれ落ちているのだが、個人的にはこれを模型でマトモに表現しようとするとむしろ目立ちすぎて、これまたリアル感を損ねるような気がした。
従って、意図的に実機よりも控えめな剥がれに留めることにした。 資料を確認しつつ、リベットと外板のパターンに注意しながら、慎重にチッピングを施す。失敗したらエナメル溶剤で拭き取り、納得いくまでやり直せば良いのだ。
納得のいく仕上がりを得たら、最後の仕上げ。フラットクリアを吹く。
資料を見ると、炎天下に駐機しているにもかかわらず、機体からの反射光が非常に鈍く感じられるので、おそらく比較的強いつや消し塗装であったと判断。従って、今回は通常よりも強いフラットクリアで仕上げることにした。
こうして完成した F4U-1A
であるが、ほぼイメージ通りの仕上がりとなり、満足している。 (2007年9月2日)
※画像をクリックすると、UXGA
サイズの大判画像がポップアップします。
拙作の画像ではありますが、宜しければ壁紙などにお使い下さい。 |
おまけ
尾輪を薄め液のキャップで持ち上げて、僚機と編隊を組んで飛行するあまりにも有名な写真を真似てみた。
この画像を見ながら、脚を消してプロペラが回っているところを妄想していただきたい。(笑)
う〜ん、やぱりこのアングルでみるコルセアはカッコいいなぁ!
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