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■ 1/72 タミヤ: North American P-51D Mustang
米軍機としては、初の陸軍機の製作である。この P-51D
ムスタングは、ボックスアートとカルトグラフ製デカールに惹かれて購入した。地味な海軍機が続いていたので、ここは一つ派手なマーキングが特徴的な大戦後期の陸軍機でも作ろうかと考えていたので、ちょうど良いタイミングであった。
ご存知の通り、キット自体は申し分ない出来である。若干メリハリの強いモールドと、凸リベットを適所に配した模型的なデフォルメが、逆にリアル感を演出している。
今回の製作は全くの素組みである。前作の 1/144 SBD-5 でこれでもかと言うほど手を加えて疲れていたので、次作は手の掛からないもの、と決めていた。キット付属のデカールは第8空軍のエースパイロットの搭乗機、4種類から選択出来る。今回は、機首と翼端の派手なチェッカーが格好良い、ジョン・ランダース大佐搭乗機とした。ボックスアートが気に入って購入したのだから、当然と言えば当然である。
陸軍機の製作は初めてと書いたが、無塗装銀の機体も初めてである。
銀の地肌をどう表現しようか、巷ではさまざまな表情を演出するメタリック塗料が売っているが、不用意に手を出して失敗したくなかったので、普通の銀をベースに、所々パネルラインのトーンを変えてみた。 全体を塗装してから、丁寧にマスキング。黒を少量混ぜた銀を軽く吹く。 黒の濃度を変えて、ベースの上に2種類のトーンで塗り分けてみた。 1/72 なので、あまりチマチマとやったところでくどくなってしまうので、要所を押さえれば十分である。
基本塗装が終わったところで、全身をハデハデなデカールで着飾る。
至福の時間である。機首のチェッカーは、軟化剤を使いながら少しずつ馴染ませていくのがポイント。細いラインや小さなステンシルは、丁寧に、慎重に位置決めしていけば必ず上手くいく。最後はクリアを厚めに吹いて光沢を整えた。
銀塗装はその特性から手抜きが非常に分かりやすい。下地処理をおろそかにすると、容赦なく恥ずかしい部分をさらけ出してしまう。製作を開始した当初、陸軍機には今一つ愛情を注ぎきれていなくて、若干基本工作が雑になりがちな個所があった。ところが、塗装を始めた頃からだんだんと愛着が湧いてきて、当初の雑な工作を後悔したが後の祭りである。しかし、塗装とデカールでほぼ目立たない状態にリカバリーすることが出来たのは不幸中の幸いか。 完成した機体は、大戦末期の戦勝ムードで余裕たっぷりハデハデ塗装を上手く再現出来て満足している。 |
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