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第6回 2001/05/27 HiFi CD-R Unit 製作第2弾 - 正弦波電源を追撃せよ! -

[ 目次 ]
 ・まえがき
 ・正弦波電源を追撃せよ!
 ・組立 - 完成 - 試聴


組立 - 完成 - 試聴

さぁ、組み立てだ!!
いよいよ全ての部品を組み上げます。
HDD は、5インチベイ用スペーサーを取り付けました。デザイン上、フロントベイに水平で横長の通気孔が欲しかったので、簀状のスリットが入ったフロントパネルが付属しているスペーサーを使いました。これは好みなので、好きなもので良いと思います。フロントパネルの選定次第で外観の印象が大きく変わりますので、自分がカッコイイと思うものを探しましょう。(笑) もちろん、あらかじめ SCSI ケースに付属しているものでも構いません。

写真10:5インチベイ用スペーサーを装着した、約5年前の Quantum Fireball 1.2GB Fast SCSI モデル
写真は白が飛んでしまって、スリットが見えない (^^;

肝心の CD-R ドライブですが、YAMAHA CDR100 を使ってみます。このドライブはプロの制作現場では大変評価が高いドライブですが、一般ユーザーの環境では 63min メディアでないと実力を発揮できない印象があります。(少なくとも、私が使ったドライブはそうです。)
63min メディアを使った時は確かに高品位な音質を得られます。しかし 74min では CDU948S に似た傾向で若干派手さを感じ、分解能ではほぼ同等のレベルを得られますが、質感は今ひとつとなってしまいます。
このドライブを敢えて選択した理由は、この 74min メディアの音質が、今回の改造によってどれだけ変わるかを確認したかったからです。

とにかく、CD-R ドライブを組み込み、ネジ止めついでに SCSI ケーブル用シールド板のアース線を一緒にネジ止め。

写真11:SCSI ケーブル用シールド板のアース線を、CDR100 と一緒にネジ止め
(クリックで拡大画像)

写真12:全ての部品を組み込み、外装カバーを取り付けたら改造は完了
(クリックで拡大画像)

さぁここまで来たら、あとは SCSI ID の切り替えスイッチやオーディオ出力ケーブル等を接続し、外装カバーを取り付けて改造は完了! \(^o^)/


こうなりゃとことん、こだわろう!!
せっかく作った自分だけの HiFi CD-R Unit ですから、とことんこだわりましょう。
世界に1台しかないマシンに、自分だけのロゴやエンブレムを作ってみましょう。シルク印刷のようなレタリングも、カッコよく見せるポイントです。
今回は、インクジェット用の半光沢フィルムがあったので、それに印刷しました。

写真13:半光沢フィルムで、ロゴやエンブレムを自作
(クリックで拡大画像)

一応 CDR100 を使っていて、イメージ作成用 HDD も搭載していますから、CDE100 への対抗心と比肩に値する意味合いを込め、型番は CDE100-H12 とでもしておきましょう。(爆)HDD が 1.2GB なので、H12 です。(^^;

そう、誰にも気兼ねする必要は無いんです。 自己満足、大いに結構!!
趣味なんですから、発想を膨らませて好きなようにやりましょうよ!(笑)



焼き焼き、そして試聴...わくわく!!
さぁ、ついに完成した CDE100-H12 で試し焼きです。メディアはおなじみ誘電の旧74TY 盤。2倍速書き込みです。焼きあがったら、あらかじめ改造前に同条件で焼いておいたものと聞き比べてみます。

写真14:遂に完成した CDE100-H12 の勇姿
(クリックで拡大画像)

よく試聴してみると、改造前はやや派手気味でザラついていましたが、驚いたことにその派手さは抑えられてフラットになり、以前より滑らかになっています。鮮度も明らかに向上しています。つまり、74min メディアでも 63min を使った時と同様の音色に近付いたわけです。私自身、狙った通りの効果が現れて、非常に満足しています。
かくして、正弦波電源装置に迫る高品位電源は、DC出力を徹底的にクリーンアップし、ノイズを極力排除することで実現できることが分かりました。

Plextor PX-W124TS を使った場合
ところで CDR100 で評価を行った理由は前述した通り、74min メディアによる変化を確認する目的でしたが、もともと特殊なドライブなので一般的ではありません。

そこで、私が所有している中で、比較的現行のドライブに近いと思われる PX-W124TSに載せ換えて書き込み、あらかじめPCに内蔵していた時に同条件で書き込んだ場合との音質差を比較してみます。

メディアは同じく 誘電 旧74TY で、書き込み速度は4倍速に設定しました。
試聴した結果ですが、この疑似正弦波電源&ケースではやはり CDR100 と同様の改善が見られました。
全体的に滑らかさと鮮度が増し、すっきりとした印象です。更に、PCに内蔵のままで焼いたものはちょっと寝ぼけたような、繊細さに欠ける印象だったのが、疑似正弦波電源&ケースを使うとキリッとシャープに引き締まりました。 これは驚きです。

この結果が物語るように、CDU948S やその他往年の名機に限らず、最近のドライブであっても、ポイントを押さえて問題を解決してやるだけで、確実に書き込み品質を向上させることが出来るのです。

写真15: Plextor の PX-W124TS で実験

これだけの効果があるなら、他のメーカーの様々なドライブを使っても、かなりの確率で何らかの改善は得られることでしょう。 CDU948S を持っていないからといって、高品位書き込みを諦めることはないのです。 さぁ、皆さんも自分の創意工夫で CD-R ドライブを HiFi CD-R Unit に変身させましょう!!
素晴らしいマシンの完成報告をお待ちしております。(^o^)ノ~~~

2001年5月28日 (C) COLT-T
無断転載・引用・直リンクを禁じます。


特集後記

<魂の叫び>オシロが欲しい!!(^^;
改造によって、どれだけの改善が見られたかを視覚的に判断するには、オシロスコープによって、波形を観測するのが効果的ですね。
実はかなり以前から、オシロを安価で入手すべく、八方手を尽くしているのですが、まだ見つかっていません。あったとしても、最終校正日が不明だったり、ジャンクに近かったりで、信頼性が無いものばかり。(T_T)
前の会社に在職中は、ほとんど空気というか、ごく当たり前に使っていた機器でしたが、いざ個人で探すと、手ごろなものが見つかりません。
今欲しいものは、シンクロスコープ(SS-5712 岩通製4現象、100MHz)、ミリバル、マルチメーター、リーダー電子のDC安定化電源、オシレータ、ってところでしょうか。(^◇^;)
無償提供のお申し出は、随時受け付けております。(爆)
な〜んて、そんな奇特な方がいらっしゃるわけないですよね。(笑)
そのようなわけで、もし無事にオシロをゲットできたら、更に面白い特集を掲載しますので、みなさん応援よろしくお願いします〜。(^o^)v


<コラム1>猫に小判か!? -- CDR100 --
一部の愛好者の間で人気の高いこの YAMAHA CDR100 ですが、当然ながら一筋縄ではいきません。実際に使うと、使いこなすのはプロじゃないと無理だということを再認識しました。(^^;

今回採用したこの CDR100、どうにも神経質でいただけません。私のデスクトップPCはオール SCSI 構成ですが、CDE100-H12 が接続されていると、起動はするものの、何かアプリケーションを立ち上げた途端、ブルースクリーンとなりフリーズ。
同じくオール SCSI 構成のサブマシンに接続しても、起動途中でバスリセットを繰り返し、立ち上がらない。
どうにも困ったので、仕方なく ThinkPad 535 に、SCSI PC Card 経由で接続することで、やっとシステムとして安定させることが出来ました。
思うに、私のデスクトップは2台とも SCSI 構成なので、同一バス上に UltraWide な HDD とごく初期の SCSI デバイスである CDR100 が同居するとタイミングが取りきれないのではないか、と思われます。 たぶん、ブートドライブを IDE HDD に換装するか、SCSI ホストアダプタを追加して、低速デバイスをそちらへ追い出せば解決すると思われますが、PCI バスは空きが無いのですぐにはちょっと...。(^^;
さて、とりあえずサブノートに接続し、安定動作すると思ったら、WinCDR を使うと必ずコケる。(ToT) 何しろ古いドライブですから、ひょっとして最近の銀メディアは全滅か!?と思うほど。
そこで、ダメ元でライティングソフトを Easy CD Creator に変えてみたところ、WinCDR での不調が嘘のように全く問題なく使えます。

まぁそんなわけで、これ以上調べる手がかりも見つかりそうに無いので、納得いかないままですが、時間もないので試し焼きと試聴を優先したという次第...。(-_-;)

いずれにしても、このドライブは業務用を前提として、殆ど手作りに近い状態で作られたもの。大変高価なオーディオカード(サウンドカードではなくて)と、Masterlist CD という業務用ライティングソフトと組み合わせて、初めて能力を最大限に発揮するものです。 我々一般ユーザーが、このドライブに過大な期待をしても、それに応えてくれるには、相応の待遇を要求してくるわけです。ですから、我々一般ユーザーが持っていても、その能力のほんの一部しか引き出すことが出来ないのです。 動作が神経質なのは、適さない環境下で使用していることも一因としてあるように思います。まぁそんな状況でありながら、CDR100 の能力を引き出すという点に於いて、今回の CDE100-H12 はかなり頑張ったかな、と少し満足しています。(笑)


<コラム2>独創性を持つということ
この際ですから、ついでに最近思ったことを書かせていただきます〜。(^o^;

最近、検索サイトを使って CDU948S を検索すると、多数のサイトがヒットします。
これは、ほんの半年前には考えられない状況です。あまたの CD-R 系サイトが、948S を例に高品位書き込みを追求していった結果ではないでしょうか。
それは良いとして、検索結果の下に出る各々のサイトのプレビューテキストを見ていると、MOやSUNのケースといった古い SCSI 機器のケースに 948S を組み込む記事を掲載しているサイトが結構あることに気が付きました。しかもそれらは、どれも初めて訪れるサイトでした。
それらのサイトを覗いてみましたが、数分を待たずして私はがっかりしました。
多くのサイトは私が行なった改造そのまんまだったからです。そこから、新しいものは何一つ得られることはありませんでした。更に、個人的にちょっと・・・と感じたことは、これらの記事があたかもこのサイトの運営者が考案したかのような書き方をしているということ。たしかに、当サイトに訪れて下さること自体はうれしいのですが、正直言ってあまり良い気持ちはしませんでした。

あらためて主張させていただきますが、良質な電源を搭載したジャンクMOドライブのケースを流用して CD-R を組み込むというアイデアを最初に具現化し、自分のウェブサイトで発表したのは私が最初です。
個人のウェブサイトとは、少なくとも運営者が自分自身の思想や価値観、及び独創性を訴える場所ではないでしょうか。それを無くして個人のウェブサイトを運営する意義は、果たしてどこにあるのやら。同じことをやるにしても、何かしら自分自身のこだわりや特徴を出そうという気にならないものなのでしょうか?とはいえ、絶対まねするな〜、と言っているわけじゃありません。要は、少なくとも自分のサイトに掲載するなら、せめて「ここの記事を見て、自分も挑戦してみました。」などといった文言が記事の冒頭に書いてあっても良いのでは?ということ。それだけでも受ける印象は全然違ってくるものです。まぁ、サイトによっては「一部で話題の」といった前置きを書いてくださっているところもありますが...。

私自身も CD-R 関係者の方やレコーディングエンジニアの方達から、いろんな情報を頂いており、それを元に記事を作成することもあります。しかし、それらの情報は必ず自分自身で理解し、自分自身の言葉で書いているつもりです。そうすることにより、自分流の文章表現が無意識に個性を主張すると思っています。
見聞きしたことを、ただ右から左に流しているだけでは、例のチョウチン記事のライターさんと同じではないですか。(笑)
あと私の場合、同じ方向性を持っているサイトは、一部の例外(相互リンクさんなど)を除き、敢えて一切見ないようにしています。レベルが高く大変参考になるところもあるんですが、読んでしまうと、必ず何かしら無意識に影響されるものですから。 独創性を維持するためにも、そうしています。

当サイトの常連さんが運営されているサイトや、相互リンクでお世話になっているウェブサイトを拝見すると、皆さんそれぞれに自分自身の持ち味を存分に発揮し、個性豊かなサイトを運営していらっしゃることがわかります。948S と外付けケースを取り上げた記事では更にその傾向は顕著で、どのサイトもそれぞれの切り口で 948S を深く掘り下げていらっしゃいます。 SUNケースの扱い方を大変丁寧に説明したり、ノイズの排除に徹底したり、といった具合に。 既に、948S に関しての工夫は、私のちっぽけな発想の域を軽く越え、これらの皆さんの素晴らしい創意工夫によって、一人歩きをしているという実感があります。

良質の電源が搭載された古い5インチMOドライブのケースを、CDU948S に流用するという方法を提案したのは、共感された方たちがこれによって同様のクオリティを得て欲しいという思いからですし、当サイト内にある、HiFi CD-R Gallery は、そういった皆さんの作品を展示し、ご覧になった方が新たな発想を生み出すヒントを得られる場所として作ったものです。
今回の特集をご覧になって、HiFi CD-R Unit の製作をしてみようとする方もいらっしゃるかと思いますが、当 Gallery ではそういった志高いチャレンジャー諸氏の心をくすぐる作品が沢山ありますので、それらを参考にしつつ、是非ともオリジナリティあふれる、ご自分だけの HiFi CD-R Unit を作り上げてください。

そして、HiFi CD-R Gallery への掲載希望をお待ちしております。(^o^)/~~~


2001/08/06 追記
今回偶然に、当サイトと同じ趣旨の情報を公開しているサイトさんと交流を得ることが出来ました。
お互いに全く独自の運営ながら、たまたま同じ方向性を示していることに驚いた次第です。(笑) 「Studio「眞」/ProjectAMS」は、長年 CD-R に携わっていらっしゃる管理人さんが独自に培った、大変参考になる情報を公開していらっしゃいます。 当サイトの情報と併せて、是非こちらもご覧下さい。

 

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