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第7回 2001/08/09 超激安時代の CD-R メディア選び(実践編)

[ 目次 ]
 ・まえがき
 ・CD-R メディアの品質とは
 ・テストの下準備
 ・テスト結果(データ CD)- 解説
 ・CD-DA の音質評価 - 解説
 ・総括 - <コラム> -測定結果の安易な掲載が誤解を生む-


 CD-R メディアの品質とは

その前にまず、特集記事「CD-R 技術解説第5回」にて説明した良いメディアを選ぶポイントをおさらいしておきましょう。

・メディアの反りが無いか
テーブルなどの平坦な場所に記録面を上にしてメディアを載せ、中心の透明部分を指で押してみます。よく目を凝らしてみると、反りがあるメディアは密着せずにテーブルから浮いているのが分かります。 中には、書き込んだ後、熱が加わった影響で反りが改善される場合もありますが、書き込む前に反っていれば、書き込み時に影響があります。

・スタックリングの均一性を確認する
これは、特集記事「CD-R 技術解説第5回」で記述しましたが、大変熟練した方でないと分からないので、今回のテストでは評価しません。
もちろん、私自身もトライしましたが判断できませんでした。(^^;
どのようなものかは、特集記事「CD-R 技術解説第5回」をご参照下さい。

・メディアの容量一杯まで焼いたデータを、HDD へ高速書き出しする
HDD へ書き出すことによって、正常に読み出すことが出来るかが分かります。
もしメディアの品質が悪かったり、CD-R ドライブの書き込み精度が悪いことが原因で読み出しエラーが発生する場合、CD-ROM ドライブは読み出し速度を落としてリトライします。もし、読み出し速度が高速のまま最後まで読み出すことが出来るなら、そのメディアの品質はまずまずといえると思います。(たいていは外周に近づくほどエラーが多い傾向があります。)逆にエラーが頻発する場合、読み出し速度は遅いままとなります。
※読み出し速度の低下が、違うメーカーのメディアでも同様に発生するのなら、ドライブの問題または電源など動作環境が原因である可能性が高いので、メディアの問題であるとは言いきれません。まずは動作環境を改善したうえで、改めてテストメディアを焼きましょう。

・CD-DA を焼いて、その音質を評価する
音質の評価は、主にジッター量に依存することが多いといわれています。
C1 エラーレートは、直接音質に影響を与えることは殆どありません。
ですから、質の悪いメディアのうち、主にジッターが多い傾向を示すメディアを見つけ出す簡単な方法といえば、実際に CD-DA を焼いて、その音質をオリジナルと比較するほかないのです。
ここで言う音質とは、メディア固有の音色ということではなく、ジッターが音質に与えると言われる成分が DA の再生音の中に確認できるかどうかということです。
今までの私の経験と識者の方々の証言をまとめると、ジッターが多い場合

(1) 全体的に音がこもりがちになる
(2) 定位がぼやけ気味になる
(3) 小さな音や細やかな音色が聞き取れない

といった諸症状が聴き取れます。
これらは、高価なオーディオ機器でなくとも、オリジナルや精度が高いメディアで焼いたものと幾度か聞き比べることによって、だんだんと分かってきます。
絶対的な高音質を追求することは、それなりの高級機器でないと太刀打ちできませんが、比較するだけの相対的な評価でしたら、比較的安価なオーディオ機器でも十分可能ですから、是非お試しください。


以上を踏まえて、これから行うテストの項目が、実際にどのような品質上の判断の目安となるかをまとめると、次のようになります。

(1)メディアの反りの有無
  → 製造時の品質管理(メーカー)、書き込み時のピットの形成品質(ユーザー)
(2)データの、HDD への高速書き出し
  → 読み出しエラーの量(盤面の品質、成形精度)
(3)CD-DA の音質評価
  → ジッター、訂正不能エラーの量

これらを調べることにより、各メディアの品質の状態が分かります。
ただ、ここで注意したいのは、このテストは私がごく普通に購入したメディアを使って行っていますが、必ずしもメディア各々の品質を完全に断定するものではないと言うことです。
この点が、一番誤解されやすい部分でもあるんですが、つまり、テスト結果はあくまでも、私が購入したメディアに対しての結果に過ぎません。今回たまたま評価が悪くても、製造時期の違いによって優れた成績を示すことは十分に考えられます。ロット間にある品質のバラツキは工業製品の宿命です。言葉足らずの雑誌記事などで、よく誤解が生じていますね。1つの雑誌の評価で、その結果が全てであるかのように流布されてしまうといった事態が今まで何度も起こっています。

ですから、このテスト結果を参考に皆さんがメディアを購入し、その使用感がテスト結果と合致するかしないかの最終判断は、やはり皆さんが行うべきなのです。私は、雑誌記事なんかより、皆さんの感性の方がよほど正確だと思っています。
但し、あまりに品質のバラツキが大きいのであれば、それは工業製品の宿命という言葉にあぐらをかいて、QCレベルを落としていることに他なりません。
それはそれで、きっちりと批判しなくてはならないと思っています。

 

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